中学校の教科書検定で、「従軍慰安婦」の呼称が
復活したと産経新聞が報じていた。
記事にはこう書かれている。
新規参入の山川出版は「戦地に設けられた
『慰安施設』には、朝鮮・中国・フィリピンなど
から女性が集められた(いわゆる従軍慰安婦)」と記述した。
(いわゆる従軍慰安婦)と記したことで、
「あくまでも俗称」と言いたいのかもしれないが、
これは教科書である。何が「いわゆる」だ。
言葉が独り歩きするような表現は慎むべきだ。
「従軍」とは、軍との雇傭関係がある場合に使われる。
従軍看護婦、従軍記者など。
彼らは軍人ではなく、軍属である。
軍属には大別して3種類あり、立場はピンキリ。
1)教官とか技術官とか法務官といった文官
(一般官庁と同じ高等官や判任官の区別がある)
2)官吏ではないけれど公務に従事する雇員
3)雑役その他に使用する傭人
慰安婦が軍との雇傭関係にあった(従軍慰安婦であった)のなら、
このいずれかの形で、軍属として
徴用されていなければならない。
各地に散らばった軍隊の生活面を支える
さまざまな施設やサービスは、便宜上、
「軍指定」となることはあっても、
それは、施設の管理者やサービス提供者が
軍属になることとイコールではないのだ。
従軍看護婦と戦場慰安婦とがごっちゃになって
従軍慰安婦などという言葉ができあがったのだろう。
定義があいまいなまま使われてきた「職業軍人」も
そうだけど、ちょっと勉強すれば全く意味不明な
造語であることがわかるはずだ。
執筆者も文科省も、果たして歴史に対して
誠実だといえるのか???
BLOGブログ
前の記事へ読解力の無さが露呈した「産経抄」
トイレットペーパーの次は食料か!次の記事へ